魔導書とスピリットのシジル

魔導書について

君は魔導書を知っているだろうか。

ゲームの世界のものではなく、現実の世界のだ。

魔導書は、その名の通り、

魔術の手引き書である。

グリモワールとも呼ばれる。)

ネット時代の今でこそ、有益な情報は容易く手に入れられるが、ほんの数十年ほど前までは、情報は紙に書かれているものがほとんどで、マニアックな内容のものは見つけるのも大変だった。

そのさらに前の時代、14~16世紀のルネッサンスの頃や、その後の近代魔術が盛んだった頃、多くの魔導書が出版され、現代でもそれらの影響は続いている。

最近でも毎年多くの魔術に関する書籍は出版されており、クリックひとつで手に入る。便利に、そして、魔術自体も、ずいぶんとオープンになった。

スピリチュアルブームを経て、神社はパワースポットと呼ばれ、占い師は気軽な恋愛相談の相手となり、そして、エンジェルカードなどによってスピリットは身近で頼りになる存在と考える者が増えてきたように思う。

そんな中で出版される魔術関連の本も、一昔前のようにオカルト色の強い、おどろおどろしい、いかがわしさの濃いものではなく、明るいイメージを持つものも多々ある。

もちろん、今でも黒魔術としての要素を前面に押し出した禁断の書という体のものもあるが、「魔術」だと身構えずに手に取れるものがたくさんある。

最近の魔導書は、21世紀に出版されていても、根本的な部分は過去から伝わる内容を多かれ少なかれ保持しているものが大半である。

その地に受け継がれてきた秘儀、かつて栄えた魔術結社の奥義、そして、いつ誰が定義したのか今となっては明白になることのないグリモワールの数々…それらを、今の言葉でわかりやすく、受け入れやすく、著者の探求からの考察と新たな提案とともに生まれ変わったものが、現代の魔導書であろう。

もちろん、中には全くの新しい魔術を考案・紹介している著者もいる。新時代を築く彼らには心よりの敬意を表したい。

スピリットの召喚に必要な情報

さて、私が今回、魔導書について記したのは、この先、スピリットの召喚を手引きする際に必要な情報を、できるだけ多く得てほしいからだ。

スピリットの召喚に必要な情報。それは、それぞれのスピリットの持つ力の特徴(何を成し得るのに適するかなど)と、

召喚するスピリットのシジル

である。

スピリットの持つ力の特徴は、召喚魔術に関する書籍やサイトから容易にその情報を入手できる。

スピリットがどんな力を持ち、何を成し得るかの詳細は、参考にするものによって多少異なるかもしれないが、召喚魔術を行うにあたり問題はない。(君が得た情報を信じて行うのだから。)

では、シジルはどうか。

召喚では、スピリットのシジルを見ることが必要となる。

そのシジルは、ネットなり書籍なりを参考に君が自分で描いてもいいし、コピーしたものでもいい。

だが、その参考にするシジルは、どこのサイト、どの書籍でも、

同じスピリットであれば同じシジルなのだろうか?

そう疑問に思うだろう。

結論からいうと、イエス・ノー両方である。

イエスといえるのは、いわゆる悪魔と呼ばれるスピリットのシジルだ。

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悪魔と呼ばれるスピリット

君も聞いたことがあるのではないかな。

72(柱)の悪魔、と。

悪魔を紹介する書籍やサイト、さらには、ゲームや創作に使われる場合でも、悪魔はほぼ72人構成である。

(堕天使による悪魔(ルシファーなどの)やゲーテの組曲ファウストの悪魔メフィストフェレスなどは別にして。)

もちろん、この72の悪魔は名だたる大物たちであり、その配下には大勢の悪魔がいるが、主要格となる悪魔は決まって72なのだ。

なぜか?

その理由は、

レメゲトン_Lemegeton_

別名、ソロモン王の小さな鍵_The Lesser Key of Solomon the King_

という全5部からなるグリモワールの第1部、

ゲーティア_Ars Goetia_

にある。

ゲーティア

このグリモワールには、72の悪魔の地位や特徴、そして、この悪魔たちを召喚して操る術の詳細が記されている。

ゲーティアが実際に書かれたされた時期は定かではないが、早くて14世紀、遅くてもレメゲトンが世に出た16世紀には存在したとされている。ソロモン王(紀元前900年代の、古代イスラエルの第3代国王)自身が記したという説は、1世紀過ぎに記された書物にある「ミカエルから悪霊を操る指輪をもらって神殿を作らせた」ことからの偽りだとされている。

ゲーティアの真の作者は不明だが、この書が魔術において多大な影響を及ぼしたものであるのはまちがいないだろう。

ゲーティアを含むレメゲトンは、別名をソロモン王の小さな鍵という。

「小さな鍵」というのは、ほかに「ソロモン王の大きな鍵」と呼ばれる魔導書があるからであり、この魔導書にはソロモン王が使役したとされる36デカンの悪魔について記されている。

もともとは、大きな鍵のほうが「ソロモン王の鍵」とされる魔導書であったが、ソロモン王の小さな鍵のほうが人気があるため、ソロモン王の鍵というと小さな鍵を指すことも多い。

72の悪魔

では、72の悪魔に戻ろう。

ゲーティアにある72の悪魔のシジルおよび特徴は、他の書籍で紹介される72の悪魔とさほど変わらない。つまり、ゲーティアと題していなくても、ゲーティアの72の悪魔をもとにして書かれているといえる。

もちろん、聖書同様、著作権のないレメゲトンは、数多くの出版社から出ている。

(著作権がないというのは、その内容にだ。たとえば、日本語に訳されて出版されている聖書には、その日本語訳で書かれ出版されている本としての著作権はあるだろう。聖書の内容を、自分の言葉で自分がまとめて書いた文章であれば、その出版社の保有する著作権を侵害するものとはならない。)

ゲーティアの72の悪魔の名は、みな同じだ。特徴にも、大きな違いはない。シジルは微妙に線の長さやバランスの異なるものもあるが、同じといっていい。

たとえば、Andromalius(アンドロマリウス_72の悪魔の72番)、sigil で画像検索する(英語で。カタカナだとアニメの画が出る)と、異なるタッチの挿絵だったりアクセサリーに彫られていたりのバリエーションはあれど、同じシジルが見られる。

これらから、悪魔と呼ばれるスピリット…少なくともゲーティアをもとにした72の悪魔…に関しては、同じスピリットであれば同じシジルだとしてかまわないと思う。

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天使と呼ばれるスピリット

同じスピリットであれば同じシジルだと言い切れないのが、天使と呼ばれるスピリットたちだ。

君は、悪魔の存在、そして、天使の存在を信じているだろうか。

信じる信じないはともかく、

召喚するなら天使のほうが安心だ

と思うだろうか。

そもそも、ミカエルやガブリエルといった有名な天使は、聖書の黙示録からきている。つまり、聖書を信じる上でという前提のものである。そういってしまっては、悪魔という存在も聖書抜きには語れないものとなり、宗教が絡むとどんどんややこしくなっていってしまうので、「信じる信じない」は問題外とする。

(いずれにしろ、実際に君が悪魔や天使を信じているか否かは、ケイオスマジックでは問題にならないのでどちらでも大丈夫だ。)

今回の「魔導書とスピリットのシジル」では、あえて悪魔、天使という呼び方をしているが、思い出してほしい。

スピリットに善悪はない

悪魔(と呼ばれる存在)も天使(と呼ばれる存在)も、等しくスピリットなのである。

(このことに異議はあるかもしれないが、私はケイオスマジシャンゆえ、この見解で進めていく。)

なんにせよ、いいたいのは、天使のシジルは必ずしも一人ひとつと定まっていないようだということだ。

参考にする書籍あるいはサイトによって、異なるシジルが記されている場合がある。

(もちろん、悪魔のシジルも、ゴーティアの72の悪魔以外であれば、異なる場合はある。)

けれども、それも大した問題ではない。

同じスピリットがところにより異なるシジルであっても、君の行う召喚魔術では、君の選んだどのシジルを使用してもいいのだ。

君が、そのシジルが対象とするスピリットを表していると信じ込めることこそが重要なのである。

ケイオスマジックにおけるスピリット召喚は、

そのシジルを、

そのシジルを用いて召喚するスピリットを、

そのスピリットの力を、

そのスピリットの力をもって成す事象を、

君が望み、君が可能であると信じることで成立する。

それを忘れずにいてほしい。

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スピリットの選択肢を増やすために

これまでに記したように、召喚魔術に必要なスピリットのシジルは、君の好きなものを使ってOKである。

そのスピリットの持つ力が君の望みの実現の役に立ち、君がそのスピリットの力を借りたいと望む限り、そのスピリットは君の行う召喚魔術にふさわしいだろう。

ここにも、召喚し得るスピリットのシジルを記すつもりでいるが、それには限りがあるため、召喚魔術を実践する際には、(ここに記すものを含め)君自身が情報を得て、召喚するスピリットのシジルを用意してほしい。

世に出回る魔導書に掲載されているシジル(とくに天使)のうち、著者が考案した複雑なデザインのシジル(神の名や祈りの言葉、呪文などがともに描かれた芸術的なものなど)は、著作権の問題もあり、ここに記すことはできない。

ここに記せるのは、レメゲトンにあるスピリットや古い作者不明とされる魔導書から伝わるスピリットのシジルを、私自身が描いたものだけである。

だが、それだけだと、選択肢に乏しいかもしれない。

そこで、魔導書の出番となる。

数世紀を経て伝わる魔導書(をもとに出版されたもの)のほかに、召喚魔術について書かれた現代の魔導書、魔術書からも、スピリットのシジルを見つけることができる。

(もし、君が、悪魔と呼ばれるスピリット、あるいは、悪魔とも天使とも呼ばれていないスピリットに対して抵抗があるのなら、天使と呼ばれるスピリットのシジルを探すといいだろう。)

レメゲトンをはじめ、多くの魔導書は、その内容を保ち、あるいは変化させながら、現代に伝わっている。

有名な魔導書のいくつかをあげるので、興味のある書を調べてみよう。

まずは、このあたりから。

●レメゲトン(ゲーティアを含む5部からなる魔導書)

レメゲトン ーウィキペディア

●モーセ第6、7書(天使・精霊・悪魔を操る術の記された魔導書)

モーセ代6、7書 -ウィキペディア英語

●アルバテル_The Arbatel of the Magic (オリンピア魔術が有名)

Arbatel: Of the Magic of the Ancients -ラテン語の英訳

●ヘプタメトロン_Heptameron or Magical Elements (各曜日ごとの天使を召喚して操る術などを記した魔導書)

Peter de Abano: Heptameron, or Magical Elements -ラテン語の英訳

古来よりの魔導書、あるいは、現在の魔術書から、スピリットの情報を仕入れよう。

君がいずれ、スピリットを召喚するときのために。

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